おんたけウルトラトレイル完走

遅くなりましたが、おんたけウルトラトレイル終わりました。いやー良かった。


土曜日に秋田を朝に出発し、10時間ほどかかって王滝村に到着。遠かった…。途中、木曽路の宿場町、奈良井に寄って町並みを見ました。もっとゆっくり見たいと思わせる雰囲気がありました。妻籠とか馬籠もまた良さそう。次は妻籠から馬籠の峠を歩いて越えたいなあと思います。
木曽路の宿場町は一度訪れたかったんで、いい機会になりました。レース参加もいいけど、自分にはこういう観光も大切にしたい、これからもいろんな大会に出て、その土地を見てきたいと思います。


さて、肝心のレース。
おんたけウルトラトレイルは夜中0時スタート、興奮して寝付けないまま結局スタートを迎えました。
スタート前の説明会で距離が105.7kmと発表(笑)。土砂崩れでコースが変わったらしい。長くなってるし…。ま、距離減らされるよりいいかとプラス思考で。


そしてカウントダウン、一緒に参加のO友さんとスタート!
スタートしてからはロードを上り続け、かなり速い位置取りのまま林道に突入。心拍も150程度でキープ、ところどころの水溜まりを楽しんでクリアしていきます。スタート直後は脚の重さを感じていたけど、次第に調子の良さを感じ、林道を上り続けているのにキロ6分で走り続けました。結局25キロくらいまでキロ6分をキープしたまま疾走。どう考えても今年一番の走り。心拍も150程度で無理しないことを心がけます。
しかし自分でもかなりのハイペースで押していることはわかっていたので、上りがきつくなってからは歩きながらライトを消して満天の星空を見て休んだりしました。周りは真っ暗でかなりの星の数が見えました。うーん写真撮れなかったのが残念。


30キロくらいからはいよいよ脚がキレ始め、調子に乗りすぎたなあと後悔。瓦礫の登山道はひたすら歩き、下りは完全に一人旅でマイペースで走って40キロの第一関門到着。4時間半くらいでした。
関門のエイドでおにぎりを期待してましたが、ここには無し。かなりガックリ。バナナとキュウリを食べて水を補給して集合。おにぎりとかパンとかあるって書いてたのになあ・・・。なぜ・・・。OSJのウソツキ(笑)。


第一関門からは疲労と眠気との戦いとなり、歩くと眠くなり、走るとすぐ脚がキレる繰り返し。土の林道がほとんどなく、ひたすら瓦礫のジープ道が続くコースにも辟易し始め、気持ちも折れて食欲もなし。なんだ、このレースは?とすら思い、完全に気持ちが折れた瞬間、眠気と重なってコース脇の草むらに突っ込みました(笑)。
崖っぷちだったら死んでたなと思い、顔にビンタをして気合い注入。
ようやく夜も明け始めて、湖も見えていい感じ。

しかし眠気と疲労は全く収まる気配もなく、ダラダラと歩いてたら奥久慈で一緒に走ったハセマイ先生にパスされました。今回は全くついていける気力も無く、その力強い後ろ姿を見送る。
55キロの小エイドは身体を動かし続けることのみを考えて、最小限のストレッチでリスタート。60キロくらいから御嶽山も見えはじめ、写真を撮っていたら秋田から参加の大学生アベくんらしき人にかわされました。
本人か確かめようと必死に追うものの、どうやら追われているのに気づいたらしくペースアップされ、レース中盤で思わぬデッドヒートを展開(笑)。ようやく追いついて本人確認。二人で相談して、まだ14時間を切れる位置にいる、行くしかないと決意し、話をしながらさらにペースアップ。
しかしペースも上がらなくなり、70キロの第二関門で先に行ってもらいました。
第二関門はちょうど9時間で通過。ちょうど100位だったとのこと。


第二関門にいたお世話になった「民宿みやま」のおじさんに「これから景色が最高にいいところ」と言われ、景色だけを楽しみに第二関門をスタート。
そしてとにかく必死に歩き、走り、見えたのがこれだ!
真正面には御嶽山

眼下には湖!

そして振り返れば林道・・・。


この林道が延々と100km続くんですよ!
気が狂いますよ!
やってられっか!


という気持ちになるたび、目の前の御嶽山に心の中を見透かされているように感じ、そのたび一歩一歩進むしかないなと思い返す、その繰り返し。
そうするとだんだん調子も上がり始め、75kmくらいから徐々にペースも安定。一気に85kmの第三関門に飛び込む。残り20km。
第三関門でのそうめん、暑さに参り始めている身体に染みました。ありがたかったです。


しかしこれからがレースの本番でした。
急勾配の林道をひたすら登り、途中の天然エイド(湧き水ですね)に身体ごと飛び込むこと数回。湧き水で急激に足首が冷やされたせいか、下りで脚が硬直して全くグリップできなくなる。下りで走れない、ということはほぼ全行程を歩かなければならないということを意味する(登りは歩くので)。この林道をあと3時間以上歩くなんて考えられない、そんな思いで痛みをこらえて必死に下りを駆け下りました。


そうしていると歩いているアベくんを発見。足を痛めてしまったらしく走れないとのこと。少し並走しながら、とにかく最後までゴールしようと話して、こちらも余裕は全く無いのでとにかく無心で下り続ける。
最後のエイドもパス。いよいよ残りもわずか。最後の5kmはロード。なんとか15時間は切れそうだけど、ロードを走っているのかどうかすら分からないほどフラフラ。
するとなぜかゴールに続く橋が現れた!距離表示絶対おかしい!ま、いいけど。


そして歓喜のゴールへ。ロングをやるようになって、皆苦しんできたんだから最後のゴールくらいせめて自分だけの時間にひたらせてほしいと考えるようになり、後ろから迫るランナーの猛スパートを振り切るべく、こちらもラストスパート。おー、まだまだ走れる。こんなに走れるならもっと早くスパートできただろうに・・・。
ま、なんとかゆっくりゴールを満喫。
14時間21分12秒くらいかな?正式タイム分かりませんが。


ゴール後泣くことが多かった自分ですが、今回ばかりは「あー終わって良かった」というのが一番の感想。それしかない。本当にドMなレースだった。
ほどなくしてアベくん、O友さんもゴール。みんな無事にゴールできて本当に良かった。
しんどかったけれど、自信にもなったし、自分の弱さも分かったレースでした。あくまでも自分へのチャレンジだと考えれば、こんなレースもありなのかもしれないなと思います。


けれど来年出ろと言われたら・・・。


出ないでしょうね・・・。


ま、今回で愛用のトレランシューズ、バスクブラーもレースから引退させます(ソールが剥げているので)。青梅高水山から始まって、ハセツネ、奥久慈、つるぎ、おんたけ、レース以外でも鎌倉での練習会、姫神山に鳳凰山としっかりと走ってくれました。次のレースは当分無いので、またいろいろと試して頑張ります。


ありがとう、おんたけ(笑)。