激闘の勝田(レース編)

かなり遅くなりましたが,勝田マラソン当日の話。


前日の歩き疲れで夜はぐっすり。朝もすっきり起床して朝飯はがっつり食べました。電車で隣の勝田まで移動して,ランナーの列の中まったく迷わずに会場入り。適当な芝生に荷物を置いてウェアを準備。すると,あ,サングラスがない・・・。どうやら持ってくるの忘れたみたいです。天気は暑いくらいで日射しもまぶしい。悩んだあげく2000円でサングラス購入。ついでに激安の七分丈のウィンドブレークパンツも購入(最近のトレーニング中,さすがにタイツに短パンは寒かった)。意気揚々と荷物置き場に戻るものの意外に時間がないことに気付く(笑)。


10分ほど適当にアップ。最初は病み上がりということもあり半袖で走ろうかと思ってましたが,意外に暑くてランシャツで走ることに決定。ウェアはランシャツ・アームウォーマー・CW-Xプロハーフ・ロングソックス・手袋の組み合わせ。暑いんだか寒いんだか分からない格好ですね(笑)。
荷物を預けたもののスタート地点が分からず,係員に聞くと「頑張るなら路地を左」と言われるも,路地を左に行く道がないじゃん・・・。ま,ロープに従って2時間45分〜3時間のところに並んでスタートを待つ。さすがにサブスリーを狙う人たちが多いのか混み具合が半端じゃない。人肌で温かいくらい。


そうこうしているうちにスタート!スタートロスは約40秒。大通りに出ると,すごい人数のランナーが。けっこう前にいると思ってたら,けっこう後ろだったみたいですね。少しずつペースを上げながら渋滞の中を無理せず進みます。1kmを4分半くらいで通過。渋滞なので気にせずに,感覚を信じて走る。2kmは8分40秒くらい。まずまずのペース。心拍計が最初うまく作動していなかったけれど,自分的には無理せずに走れている感覚だったので,その感覚を信じるのみ。
そして5km通過はネットタイムで21分21秒。予想以上のペースキープ。作動し始めた心拍計も150前後で安定しているし,風邪の影響が気になっていたけど,調子はかなり良いと判断。風邪で全ての計画が振り出しに戻ってしまったかと思ってましたが,当初の計画どおり走ろうと決意。


当初の計画はこう。佐野マラソンで失速した経験から,心拍170を超えたら5キロくらいしかペースキープできないことは分かっていました。35kmを心拍170で通過できればゴールまでおそらく行ける。佐野マラソンとペース走で見る限り,疲労が溜まる前なら心拍155くらいでキロ4分15秒はキープできる感じ。逆算するとハーフくらいまで心拍155でキープして,30kmまでに心拍160くらいまで上げていき,疲労と向き合いながらあとはゴールまで徐々に強度を上げていく,という計画。ポイントは25kmから35kmをどう走るか。どこでペースを上げるかが難しい。
10kmとハーフのベストタイムから計算すると自分の走力だとサブスリーに届く計算結果にはなるので,うまく余力をコントロールして走れればサブスリーは大丈夫という確信はありました。風邪のおかげで一度は投げ出した計画。一応そんなことを考えて走っていましたが,あくまでも頭の中で考えるのみで,実際は身体の状況を見て判断することを心掛けました。


10kmくらいから日射しもなくなって向かい風。寒くて寒くて仕方がない。ランシャツが裏目に・・・。アームウォーマーを出来る限り上にまくりあげ,肩や首を手で覆ったりしながら走るものの,徐々に身体の動きが悪くなる。それでもなんとかペース維持はできているし,同じくらいのペースのランナーも抜きつ抜かれつなので,問題なく走れているよう。
ハーフ通過はネットタイムで1時間29分58秒。す,すごい・・・。完全なるサブスリーペース。1時間29分を切るくらいで通過できればと考えていたんですが,この状況では仕方ないでしょう。


さてこれからどうしようかと思いながら25km通過。あれ,ペース落ちてる・・・。この5kmは21分34秒と20秒ほど落ちた感じ。ハーフ地点からだいぶ落ちたんだなと考え,ちょっとやばい。もはやこの時点でサブスリーまでは1分以上の借金が(笑)。
もうこうなったら行くしかないと決意して一気にペースを上げる。寒い中身体が硬直して動かない。しかしようやくペースが上がった解放感で気持ちよく走れる。どんどん前の人を抜きつつ,後ろからも数人が同じペースで追い上げているのが分かる。あ,風除けにされてる。けどそんなの関係ない(小島よしお,生きてるかな)。とにかく走るのみ。


身体も温まって走りも軽くなったかと思ったけれど,30km手前から脚が重くなって,膝の周辺から力が抜けていく感覚。1月に入ってから悩まされていた腸脛靭帯の疲労です。マッサージの先生からは「レースだけ無理するように」と言われていたので(笑),脚は気にせず行くしかないのですが,もう限界だという気持ちと,まだ諦めちゃいかんという気持ちが交錯。
しかしここで思ったのは「こんなこともうやりたくない」という気持ち。正直ここ数ヶ月のマラソンレーニングはきつかった。強度的にはたいしたことじゃなかったけれど,雪の時期に延々と単調なトレーニングを繰り返し,追い込みすぎずタイムを狙うトレーニングは精神的につらかった。変化のある自転車やトレイルラン,トライアスロンの方がよっぽど自分には向いていると心底思いました。もうこんなトレーニング二度とやってられるか(極論です,おそらくまたやります)。ここでサブスリーを失敗したらまたおなじことをやらないといけない,そんなのもう無理。そんなマイナス思考のが自分の身体に火を付けました(笑)。


ペースアップしているはずなのに走りにキレがないのは自分でも分かる。風除けにされてたランナーにも置いていかれるものの,我慢の走り。35kmまでペースはキープ。結局サブスリーまで1分の借金を抱えたまま35kmを通過。
ネットタイムだけでもサブスリーはしたいと考えて,ここから全開走行。脚のことも忘れてとにかくペースが上がっていく。ここまで35km走ってきて,なぜこんなにスピードが上がるのか自分でも不思議に感じながら,きっと風邪引いて直前1週間を完全休養したのが良かったんだろうなと思いつつ,佐野マラソンのひどいラスト10kmのことを思い返して,前を行くランナーを越し続けました。ラスト5kmでサブスリーにもしかして届くんじゃないかと実感。ラスト3kmでサブスリー圏内に入り,沿道からも「サブスリー行ける!」との声をとにかくもらう。今回のマラソンは沿道の声援が本当にすごかったです。ありがたいです。


40km通過でサブスリーまで9分半。この5kmを20分28秒で走った自分にビックリ(今回のベストラップを記録)。このまま行けばサブスリーは行けそうだが,気を緩めた瞬間ダメになると思い,とにかく前だけを見て走り続けました。
そしてゴールゲートをくぐってラストの直線。表示は2時間59分台。あとはゴールテープまで駆け抜けるのみ。もう最後は何が何だか分からない状態。「サブスリーやっちゃった」的感じでもう感無量のままゴールを駆け抜けました。

ゴール後の完走証を見て,サブスリーしたんだなと思い返す。もう脚もパンパンな状態でしたが,一番思ったことは「あーようやくビール飲める」と(笑)。この3週間ほど禁酒状態でしたので。それほど意味があるとは思いませんが気持ちの問題です。


荷物を受け取って,妻にサブスリーしたと電話。「は?うそ?」という返答。そりゃそうだ。ヒワタス師匠にも電話。「は?マジで?」という返答。そりゃそうですね。自分でも信じられませんし。
帰りはお茶を商店街でもらって,東京駅で弁当とビールを買い込み,新幹線で一人祝杯を挙げて帰宅。本当に終わって良かった良かった(笑)。


タイムは2時間59分33秒。ネットタイム2時間58分53秒(21分21秒,21分10秒,21分23秒,21分17秒,21分34秒,21分15秒,21分12秒,20分28秒,9分09秒)。
こうしてみるとかなり理想的に走れたものだと感心しますね(笑)。おそらくもう一回やれと言われてもできないでしょう・・・。


今回実感したことは,ハーフで1時間25分を切るくらいで走れればおそらくサブスリーに届く可能性はありそうだということです。自分としてもこれからずっとサブスリーの走力を維持しつつ,トライアスロンやトレイルランをしていきたいと思ってます。自分の今の環境ではランニング環境が一番整っているので,そこを基本に据えていろいろなことに取り組みたい,そう考えています。


今後の予定としては5月中旬までトレイルランとロードバイクで基礎力強化と脚筋強化に励んで,そのあといったんマラソン対策に戻してスピード持久力を引き上げて,6月中旬からは長距離の力をつけていこうと考えています。
レースとしては4月の奥久慈トレイルはエントリー済み。あとは6月にいわて銀河で50Kmくらいのレースを走って,7月に横手で24時間走,それで8月のUTMBの予定。いわて銀河はまだ未定ですが,怪我なく8月を迎えることが一番なので,今年の最大目標となるUTMBに向けて地道に無理せず頑張ろうと思います。