覚悟

先週の日曜日の早朝3時頃、携帯電話に電話がかかってきた。
電話に出る前に内容に察しが付いて、ただただ電話で淡々と内容を聞いていた。


祖父が亡くなったのだ。


先月から入院していて、自分も週2〜3くらいのペースで大館に帰っていた。
医者がいつ逝ってもおかしくない状態だと話してからも安定した状態が続いて、もしかしたら年を越したりして・・・と思い始めた矢先のことだった。
自分自身の病状についてどう感じていたのかは分からないけれど、泣き言ひとつ言わず、いつもと変わらずに寡黙に座ったまま、見舞いに来る家族や孫を見守っていた。
さすがにこれまで年に一回来るかどうかだった孫が、週に2回も3回も見舞いに来るようでは、いかにも病状を悟ってくれと言っているようなものだったろうとも思うのだけれど、それでもいつも笑顔で見送ってくれた。
最期の最期まで、やっぱり祖父は祖父だった。すごかった。


一緒に住んでいたわけでもなかったので、こんな状態になるまで全然気付かなかったのだが、自分の指先は祖父と本当にそっくりだった。それを祖父が知っていたとは思えないのだが、祖父から手のひらを合わせる仕草をしてきて初めて気付いたことだった。祖父がそうしなければ、きっと気付けないままだったと思うと、本当に不思議な一瞬だった。


生きるって大変なことだけれど、だからこそ一生懸命生きなければいけないんだと初めて実感がわいた。
そんなことを、ようやく覚悟できたような気がする。


お祖父ちゃん、ありがとう。